出棺

 

(しゅっかん)

【民俗】〈人の一生〉

棺は玄関ではなくデイの縁側から外に出し、この際、死者と縁を切る儀礼が行われた。北(小原地区)ではカド火と称して藁一把に火をつけて門口に出し、湯潅の時に敷いていた筵を鎌で叩いて亡者を追い出した。この筵はみんなに踏んでもらうと成仏できるとされ、大野瀬(稲武地区)では橋、和合(下山地区)では辻など、あの世との境を意識させる場所に敷いた。また、西広瀬(猿投地区)では茶碗を割って縁を切った。〈人の一生〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻653ページ、16巻598ページ