昌全寺聖観音菩薩坐像

 

(しょうぜんじしょうかんのんぼさつざぞう)

【美術・工芸】

像高122.2cm、檜材割矧造、内刳、彫眼、素地。昌全寺(五反田町)の秘仏本尊として祀られる尊像(写真:平成20年撮影)で、左手に未敷蓮華を執り、右手は胸前で掌をやや開いて蓮華に添え、蓮華座上に結跏趺坐する通形の聖観音菩薩坐像である。本像は、平治元(1159)年に制作された平勝寺(綾渡町)の観音菩薩坐像との造形上の共通性も指摘されているが、細部の造形表現は平勝寺像よりも簡素化し、形式化した部分がみられることから、制作年代は平勝寺像よりもやや遅れる12世紀末頃と考えられる。県指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻106・138ページ

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