(じょうはっさんりょう)
【自然】
蒸発散量(ET)とはある一定のエリアにおいて湿った地表面から蒸発した水蒸気と蒸散を通じて戻ってくる水蒸気の量を組み合わせた総量で、単位はmm/dayで表される。我が国の平均的な蒸発散量は597mm/yearである。蒸発散量は水資源の側面からも重要で、これまでは主に気温を変数としたソーンスウェイト式が用いられてきたが、最近では気候因子に気温、日射、風速、湿度、およびアルベドを変数としたペンマン式が用いられるようになった。さらに、マッキンク式は、ペンマン式を簡素化したものである。地表面の蒸発散量は、透水面の割合が大きい地方と大都市では異なり、緑被率の高い地域ほど蒸発散量が多くなる。森林では蒸発散量が0.7~0.9であるが、芝生や草地では0.5~0.6である。したがって、都市部の気温が高いのは、蒸発散量が少なく気化熱による気温軽減効果が小さいからである。当然、乾季や雨季等、季節によっても異なるが、葉面積の多い季節は蒸発散置が多くなる。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻212ページ