(ジョロウグモ)
【自然】
コガネグモ科ジョロウグモ属ジョロウグモは公園や社寺林等にも生息するので身近なクモである(写真上 右:オス、左:メス)。最近アシナガグモ科からコガネグモ科に移された。卵は卵のう内で越冬し、5月下旬頃孵化する。脱皮を8、9回繰り返し、秋季に成体になる。メスの体色は鮮やかな黄色と蒼色で、腹部下面の糸疣のまわりが赤色をしているのでとても目立つ。メスは樹間に50cmを超えるような楕円形の網を張る。オスは約10mmで全体に茶褐色をしている。成体になるとメスの網に侵入し、交接のチャンスをうかがう。オニグモ等円網を張るクモは、縦糸を張り終えた後に、目の粗い足場糸と呼ばれる糸を、中央から外側に向かって螺旋状に張る。それが終わると、今度は外側から内側に向かって粘球のある横糸を張る。その時に足場糸は切ってしまう。つまり、足場糸は残らないのである。しかし、ジョロウグモはその糸を切らないので、横糸が5、6本おきに1本の割合で足場糸が残る(写真下)。これこそがジョロウグモ特有の円網である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻427・431ページ