新切遺跡

 

(しんきりいせき)

【考古】

挙母地区の平和町3・5・6丁目に所在した後期旧石器時代~弥生時代の遺物が採集されている遺跡。矢作川中流域に広がる段丘高位面(挙母面)上にあり、矢作川を東に臨む緩斜面に位置する。標高は 50~60m。市内でもっとも早い時期に旧石器が確認された遺跡の一つで、昭和33(1958)年頃に磯谷清市によって発見された。後期旧石器時代の資料にはナイフ形石器・スクレイパー・寸詰まりの石刃状剥片・石核などがある。かつて本遺跡は採集地点ごとに新切西・新切東A・新切東Bの3遺跡とされていたが、現在では、より広い範囲にわたる一つの遺跡として認識されている。発見された時期が早く発掘調査が行われないまま都市開発が進んでしまったため、遺跡の詳細は不明な点が多い。現在は市立平和小学校とそれに隣接する給食センターや宅地となっており、旧地形は失われている。

『新修豊田市史』関係箇所:1巻26・31ページ、18巻40ページ

→ 磯谷清市