水源涵養機能

 

(すいげんかんようきのう)

【自然】

地下水は私たちの生活用水の中で、貴重な水源の1つとなっているが、地表から地下に水が浸透し、地下水の水量が保持される機能が維持されることは、流域における水資源管理において極めて重要である。都市に代表されるコンクリートなど水を通さない構築物で地表が覆われている地域では、降った雨のほとんどは、地下に浸透せずに、短時間で川から海に流出してしまう。一方で、森林に代表される地表が土の状態である地域は、降った雨(降水)は、浸透して地下水として地下に蓄えられる。地下水の流れは非常に遅いので、大雨が降った場合も、短時間で地下水が川に大量に流出することは無く、また、日照りが続いた場合でも、地下水は急激に増えることはない。山地の森林は、落葉などで腐植土層が厚く形成されているところも多く、そのような地域では、腐食土層は地下水を貯留するダムのような機能を持った水源涵養林として機能している。豊田市の山地の一部は、水源涵養林として指定され、保全されている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻204・300ページ