(すずかおろし)
【自然】
中部地方の太平洋側で吹く局地強風で、西高東低の冬型気圧配置で鈴鹿山系から伊勢平野に吹き下りる風である。冬型気圧配置は、シベリア高気圧の張り出しと日本列島の東の海上を北上する発達した温帯低気圧の中心位置から三陸型、オホーツク海型、および千島列島北部型に分類されるが、鈴鹿おろしはオホーツク海型、および千島列島北部型で吹走する傾向がある。これらの温帯低気圧は、南岸低気圧、および日本海低気圧に分類されるが、近年の地球温暖化に伴う偏西風の北上化によって三陸型が減少し、鈴鹿おろしが吹く頻度が高まってきた。その結果、鈴鹿山脈を吹き下りる風下波動による強風地域が常滑付近となり、中部国際空港を離発着する航空機への影響が懸念される。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻95ページ