(すりばち)
【考古】
食物などを粉末にするために内面に擂目が施された鉢。市域では15世紀の古瀬戸の錆釉擂鉢が最も古く、以降、瀬戸・美濃窯産陶器の擂鉢が多量に流通した。その他は15~16世紀の常滑窯産陶器擂鉢が若干量認められる程度である。消費地遺跡から出土する擂鉢の多くは、擂目がみえなくなるほど摩滅していて、食物などの粉末加工が盛んに行われていたことがわかる。擂目はないものの内面が摩滅した鎌倉時代の陶器鉢類もみられるので、中世には食物の粉末加工が盛んに行われていたとみられる。
『新修豊田市史』関係箇所:2巻437・667ページ