(せがきえ)
【民俗】〈信仰〉
旧暦7月13日から16日の盂蘭盆会の時期に、餓鬼道に堕ちて苦しむ亡者の供養として寺院で行われる法会。読経や供物を施し、近年では施食会と呼ばれることが多い。民間では、盆に先祖の霊を祀るため、次第に有縁の先祖の霊も供養するようになった。市域では浄土真宗を除くほとんどの仏教宗派で行われている。白川(藤岡地区)の蔵圓寺(曹洞宗)では8月9日の施食会に際し、本堂前面に施食棚を設け、堂内で大般若経の転読がある。供養を申し込んだ檀家には竹串に五色旗を垂らしたハナカザリ(施餓鬼旗)と板塔婆が渡され、檀家は自宅の仏壇に供え、盆の時に墓へ持って行った。浄土宗の寺院では、この五色旗をナス畑に立てるとナスに虫が付かないとするところがあった。保見の永福寺(黄檗宗)では、毎年8月5日に施餓鬼供養が行われ、各組に供養の案内が送られる。法要当日は本堂前面の屋外の広場に各家の板塔婆が1本1本並べられ、僧侶による供養が行われる。〈信仰〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻771ページ、16巻710ページ