(せつぶん)
【民俗】〈年中行事〉
立春の前日の行事で、鬼や邪気、厄を払う行事や吉凶占いなどが行われる。各家庭で炒った大豆を「鬼は外、福は内」などと声を出しながらまき、豆を年齢の数だけ食べるとよいとされた。簗平(小原地区)では、豆をまくときに歳の数がつかめるとよいといった。牛地(旭地区)では、子どもがまいた豆を暗闇で12粒ひろうとその年最初の雷に驚かないといい、大平や綾渡(足助地区)、夏焼(稲武地区)では、豆をとっておいて初雷の時に食べ、夏焼ではそれが雷除けになるとされた。また、鬼除け、魔除けのために、戸口へイワシの頭を刺したヒイラギの枝などを飾った。山間部ではアセボの枝を使った地域も多く、綾渡ではアセボの枝と一緒にカヤの茎に女の髪を巻き付けて焦がしたものを戸間口に立て、大平では古い箸を削ったものに髪を巻いて火であぶったものをアセボの枝と一緒に刺した。社寺等で開催される豆まきや吉凶占いなどの行事に参加することもあった。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻705ページ、16巻637ページ