(せんじょうこうすいたい)
【自然】
線状降水帯は、異なった気団の接点が線状に延びている状態で、最近では日本列島を東西に横たわる梅雨前線、および秋雨前線でも使われるようになった。基本的には発達した積乱雲が次々と発生して線状に移動する現象で、これまで起こった昭和47年7月豪雨や東海豪雨、九州南部の豪雨災害、および広島での土石流災害は線状降水帯が影響している。すなわち、同じ場所に積乱雲が通過して局地的な豪雨をもたらすからである。線状降水帯を発生させる要因としては、マルチセル型雷雨やスーパーセル型雷雨であるが、マルチセル型雷雨の一つにバック・アンド・ビルド型があり、日本で発生する集中豪雨はこの型が多い。バック・アンド・ビルド型は、成長期・成熟期・衰退期などの異なるステージの複数の降水セル(積乱雲)が線上に並びつつ気圧傾度風の方向に移動する型であるが、成熟期や衰退期のセルからの冷気放出流によって、風上側に新たな積乱雲が生まれる型である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻251・650・656ページ