(せんたく)
【民俗】〈衣生活〉
洗濯はタライで洗濯板を使って手洗いした。大きいタライと小さいシモダライがあり、シモダライはオムツやコシマキ、靴下用だった。オムツは小便だけなら洗わずにそのまま縁側に干しておけばいいといわれるほど、手洗いは時間がかかった。毎日、洗濯する家庭もあったが、農作業が忙しく、2、3日に1回の家庭もあった。洗剤は固形石鹸だが、昔は灰を濾してアクの出た水を作って洗った。水は井戸水や樋で山から引いた水、風呂の残り湯などを使った。オムツや泥のついた仕事着などは川で洗い、井戸水ですすいだ。川の洗濯場は平らな石のある場所など、決まっていた。布団のガワなどの大きなものは水で濡らしてから足で踏んで汚れを取った。洗濯物は竿竹に通して干した。日当たりの良いオモテにはタオルを干し、パンツや女性の不浄の時の下着類は家の裏側に干した。シャツ類はどこに干してもよかった。オムツは夜に干すと疳の虫が出て夜泣するといわれた。〈衣生活〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻291ページ、16巻285ページ