(そうき)
【考古】
剥片を素材とする打製石器の一つで、動物の皮の脂肪などを掻きとるための道具と考えられている。grattoir(仏)、end scraper(英)の訳語として用いられ、石刃あるいは縦長剥片の短辺の一端または両端に弧状の刃部を作出す。日本列島では後期旧石器時代~縄文時代草創期にみられる。後期旧石器時代には石刃あるいは石刃状剥片を素材とした先刃形掻器がみられるが、東海地方西部ではあまり多くない。縄文時代草創期には酒呑ジュリンナ遺跡などで出土しているやや寸づまりで厚手の拇指形掻器もみられる。
『新修豊田市史』関係箇所:1巻34ページ、18巻108ページ