(そうぐ)
【民俗】〈人の一生〉
葬式の道具はムラの人が手作りするのが普通で、曹洞宗の地域では種類が多かった。灯籠は竹竿に行灯状のものをぶら下げたもので、葬列の前後を行き、竹竿に鱗を描いた半紙を巻いて龍頭をつけることもあった。旗には葬列前後の四旗のほか、赤青黄黒白の五色旗があり、伊熊や上切(旭地区)などではこの布をもらって腹帯にすると安産になるとされていた。天蓋は竹で吊るして棺の上にかざすもので婿が持ち、墓場に置く野位牌は喪主が持った。膳は故人が使用した飯茶碗にご飯を山盛りにしたもので、喪主の妻が墓場に供えた。竹串に半紙を巻いて切り込みを入れたシカバナをこの膳に取り付けたり、生の米粉で作った団子を供えたところもある。花籠は竹籠に亡くなった人の年の数だけお金を入れ、竹竿の先に付けたもので、葬列の途中の辻などで振った。こぼれたお金は縁起物とされ、会葬者が拾った。このほか、香炉鉢、花筒、杖などが用意され、葬具は墓場に飾られた。〈人の一生〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻646ページ、16巻591ページ