(ぞうりん)
【民俗】〈諸職〉
植林するスギやヒノキの苗は、ナエバタ(苗畑)で4年ほど育てて山に植え、苗畑に植えることをカショク(仮植)といった。森林組合から3年目の苗を買って植えることも多いが、その場合も苗畑に1年ほど植えてから植林した。山への植林は春に行い、ジゴシラエ(地拵え)といって苗を植える平坦地を造った。苗を植えることをシンショク(新植)といい、バチ(唐鍬)を使って1日あたり200~250本の苗を植え、平坦地では1間(約1.8m)ぐらいの間隔を空けた。田植えを終えた夏には伸びた草を下刈り鎌や鉈で刈り、稲刈りが終われば枝打ちをした。枝打ちは植林後7、8年後に下から2、3尺(約60~90cm)にある枝を伐るもので、その後は5年ごとに下から枝打ちした。植林後15、6年もすると木も大きくなり、木々の間隔が狭くなって発育が悪くなるため、ヒズが悪い(発育がよくない)木を選んで間伐をした。間伐は造林には欠かせないものだった。〈諸職〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻64ページ