ソンデ

 

(ソンデ)

【民俗】〈環境〉

ソンデは位置関係を示す言葉であり、市域では、例えばこちらからみえない山の向う側をソンデと呼び、大多賀(足助地区)ではそれが地名になっている。迫(藤岡地区)では集落からはみえない屋敷のウラヤマ(裏山)の峰の向こう側、大野瀬(稲武地区)では屋敷のセドヤマ(背戸山)の尾根でみえない向こう側をソンデ山といっている。ソンデは「外」のことだとされ、屋敷裏山の峰のこちら側は「内」ということになる。ソンデ呼称の分布域はおおむね尾張山地東部の一部と西三河丘陵の一部、三河山地の大部分に及んでいる。なお、柄杓を使う際、手の平を返して逆向きに水をかけることをソンデビシャクといったり、ムラ組の呼称として表に面した南向きの日向ヤシキに対し、背後に位置するソンデヤシキがあるなど、ソンデには「裏」の意味が含まれている。〈環境〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻15ページ