大安寺遺跡

 

(だいあんじいせき)

【考古】

稲武地区の大野瀬町ナカガイトに所在し、山間地を蛇行する矢作川の右岸で南向き山裾の狭い河岸段丘上に立地している。南側の川寄りの低位段丘上には縄文時代中期後半を中心とする中貝戸遺跡が所在する。昭和25(1950)年に発見され、同37年には北設楽郡史編さんに伴い実態解明のための発掘調査が行われた。これにより、縄文時代前期初頭の竪穴建物跡が1基検出され、調査後にコンクリートで固められ町指定史跡(現、市指定文化財「稲武大安寺遺跡」、写真)となった。建物跡の上層に前期前半の焼土面がみられ、その時期に再利用あるいは再掘削された可能性が指摘されている。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻69・89・96ページ、18巻566ページ