(たいかんしすう)
【自然】
体感指数とは身体からの単位面積・時間あたりの熱損失による身体で感じる温度のことであり、気温以外の湿度、および風速、日射量などの気候要素を加えた指数である。冬の寒さに関しては風速と気温から導き出す酷寒指数が用いられるが、夏の暑さの指標としては、多くの計算式が提唱されている。我が国は、温暖湿潤気候であることから、気温と湿度からの不快指数が体感としての暑さを表現する指数としている。不快指数(DI)はDI=0.72(td+tw)+40.6で求めることができ、tdは乾球温度(℃)、twは湿球温度(℃)である。一般的には不快指数75以上になると半数が不快、80以上では全員が不快とされているが、緯度帯によって人々の汗腺数が異なるため、必ずしも体感温度が同じであるとは限らない。また、年齢によっても熱さを感じる感覚が異なり、我が国では熱中症による死者のほとんどが屋内である。これに対し、日中の屋外での体感指数はWBGT(湿球黒球温度)が用いられるようになってきた。黒球温度とは黒球の中心温度で周辺環境から輻射熱の影響を測定した値であり、屋外におけるWBGTは、WBGT=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度 で表される。日本生気象学会では、25℃未満が注意、25~28℃は激しい運動や作業に注意、28~31℃は外出時に炎天下を避け、31℃以上になるとすべての生活活動で危険性が高く、涼しい屋内に避難することを呼び掛けている。したがって、児童・生徒の運動を伴う屋外活動は中止すべきである。また、気温や湿度に風速を加えた快指数(I)は、I=2.7(0.5+0.001U2)(T-80.0+0.11U)-0.35× (0.5V)1/2 ×(20.0+0.05U-0.2T)で求めることができ、Uは湿度(%)、Vhaは風速(mile/h)、およびTは気温(℉)である。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻162ページ
→ 酷寒指数