(だいどころかいぜん)
【民俗】〈住生活〉
昭和23(1948)年に制定された農業改良助長法に基づく生活改善運動の一つ。この運動は地域の婦人会、自治会、生活改善グループなどによって進められ、自治体の広報、地方紙、講演会などを通して一般の人々に広まっていった。例えば昭和27年の旭村の新聞によると、よい台所は、①明るくて換気が良い、②設備、器具の配置が良い、③火災に安全で、慰安に適している、とされた。また昭和28年の下山地区広報では、①台所の動線は小さく、②採光、出窓にガラスを使う、③水は井戸から鉄管や竹で流し、蛇口をつける、④収納空間を増やす、⑤土足のままでも食事ができるように、と呼びかけられた。こうした提言に基づいて、多くの家で台所の水まわり、窓、戸棚などが改良され、土製クド(カマド)は西洋クドになった。同時に、風呂はプライバシーが守られる明るい空間となり、便所は糞尿分離式が推奨され、し尿の効果的な利用がはかられる清潔な空間となった。〈住生活〉
『新修豊田市史』関係箇所:17巻523ページ