大日如来

 

(だいにちにょらい)

【美術・工芸】

大日如来は、密教において宇宙の森羅万象を包み込む最高位かつ絶対的な存在として位置付けられる仏で、出家後に悟りを開いた釈迦の姿を背景とする通常の如来像とは異なり、宝冠や装身具を身に着ける菩薩形の姿で表現される。密教の世界観を表現する曼荼羅図には、胎蔵曼荼羅と金剛界曼荼羅があり、それぞれの曼荼羅の中心に大日如来があらわされている。胎蔵曼荼羅の大日如来は法界定印を結ぶ姿、金剛界曼荼羅は智拳印を結ぶ姿であらわされており、彫像の場合にもこの2種類の大日如来(胎蔵大日如来と金剛界大日如来)がある。通常、曼荼羅に描かれる姿をもとに立体化されることから、その姿は坐像であらわされる。

→ 大日堂(押山町)大日如来坐像如来寺(富岡町)大日如来坐像