(たなばた)
【民俗】〈年中行事〉
7月7日は七夕であり、願いごとを書いた短冊を吊した笹竹を庭や玄関先に立て、スイカやキュウリ、ナス、ウリなどの野菜や果物を供えた。子どもが小学生のうちだけやったという家が多いが、特に7歳の時に派手にやったとか、その時にだけやったというところもあった。また、学校や子供会の行事として行うこともあった。短冊には「天の川」などの文字や願い事を書いたが、このときサトイモの葉の朝露を集め、墨をすって文字を書くと字がうまくなるといわれた。短冊を吊すのには紙縒りのほか、シュロやジャノヒゲ、スズメノヤリの葉などを使うこともあった。多くの地域では、飾られた笹竹を翌日に近くの川へ流したが、藤岡地区や小原地区の一部、広幡(保見地区)などではナスの畑に立てて虫除けやスズメ除けにした。七夕の日には墓掃除をするなど盆への準備が行われ、古くはこの日に川で髪を洗って穢れを落としたのも、盆前の禊の意味があったとされる。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻729ページ、16巻662ページ