(ちきゅうおんだんか)
【自然】
地球温暖化の原因は、人類の産業活動によって二酸化炭素、メタンガス、およびフロンガスなどの温室効果ガスが大量に放出され、圏界面に蓄積した温室効果ガスによって太陽からの短波放射が地表面に触れて長波放射となり、対流圏からの熱が抜け出せなくなる現象である。特に、二酸化炭素による地球温暖化への寄与率は75%以上を占め、メタンガス(14.3%)、フロンガス(1.1%)に比較して圧倒的な影響があることが示されている(IPCC第5次評価報告書、2014)。二酸化炭素濃度は、1750年代の産業革命以前に比較して40%以上も増加しており、石炭、石油等の化石燃料からの排出を抑える仕組みが世界的になされるようになってきた。世界的な自動車産業を有するトヨタ自動車は、ガソリンによる燃費効率を上げるためのハイブリットを開発し、また排出ガスを出さない水素、さらにはEV開発を加速させている。地球温暖化による気温上昇は、海水温の熱膨張や氷河の融解に伴う海面上昇によって海抜高度の低いモルジブなどの島々の生活圏を奪い、大型台風の接近・襲来による高波被害が増している。さらに、ハドレー循環の強化によって対流圏の子午面循環の変動に伴う偏西風の東西循環の南北振動は、異常気象の原因ともなっている。その結果、豪雨災害や砂漠化、異常猛暑、森林火災などの気象災害が発生し、全球的に食物生産地域が減少しつつあるのが現状である。まさに、地球温暖化は地球上に住む人々の食糧問題なのである。しかし、2100年の平均気温は最大4.8℃上昇すると予想され、脱炭素社会の構築に向けて世界的に取り組む(SDGs)ことが試されている。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻83・87・100・129・160・193・255・604・615ページ