「地産地食」

 

(ちさんちしょく)

【現代】

地域で生産された農林水産物をその生産された地域内で消費する取り組みを指す。産地直売(産直)・農家レストラン・観光農園、学校給食での地元食材の利用等のように、生産者と消費者が顔のみえる関係を築き、両者の物理的・心理的距離を縮めて、地域農林水産業の活性化や輸送距離の短縮による環境への負荷低減等に効果があるとされる。政策的には、平成17(2005)年の「食料・農業・農村基本計画」において食料自給率の向上に関わる重要施策として掲げられた。これらの背景には、生産地と消費地の距離的な乖離による消費者の食の安全・安心への不安やスローフード等への関心の高まりがある。豊田市では、地産地消からさらに地域の農産物を食べてもらうことを強調するために、平成20年3月策定の「豊田市食育推進計画」で「地産地食」を用いている。それは、地元産物を旬の時においしく食べることで、食育を推進し、地元の良さを再発見して地域への愛着を育てつつ、消費拡大に伴って農林水産業の健全な育成や安心・安全な農産物生産の継続を図り、農産物輸送時の二酸化炭素削減のほか、田畑の貯水機能等による暮らしの安全を守ることを狙ったもので、「生産者と消費者を結びつける運動」として取り組まれてきた。その素地は、県内でも早期の平成15年から学校給食に市内産米を使用し始めたように、これ以前からみられた。学校給食への地元農産物利用や産直は、豊田市独自の定年帰農等による新規就農施策(平成16年4月開設の農ライフ創生センター等)を受けて盛んになった。市民意識調査によれば、安心・安全な農産物購入を心がける市民の割合が8割弱なのに対して、市内農産物の購入を心がける割合は過半数強とそれより低く、市民に地元農産物を浸透させる余地は残されている。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻503・582・719ページ

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