(ちゃうす)
【考古】
抹茶を製造するための専用の粉挽き臼。上臼はやや高めの円柱状(円盤状)を呈し、下臼には受け皿部がある。日本では京都の寺院を中心に11世紀後半の茶臼の出土事例がある。全国の都市的な遺跡でも13世紀中頃からの資料がみられるようになっており、喫茶文化の普及がうかがい知れる。市域では、16世紀以降の茶臼が確認されており、上郷地区鴛鴨町の郷上遺跡から出土した茶臼は凝灰岩製と砂質凝灰岩製のものが多く、一部に武節花崗岩製のものもみられる。上臼の側面には回転させるための取手用の穴が穿たれている。
『新修豊田市史』関係箇所:20巻640ページ