(ちゅうおうこうぞうせん)
【自然】
フォッサマグナより西側の西南日本は、東西に長い帯状の地帯構造をなしている。そのうち猿投山の花崗岩帯などを含む領家帯とその南の結晶片岩などよりなる三波川帯を境とする大規模な地質断層が中央構造線(Median Tectonic Line略してMTL)である。中央構造線は、九州から関東まで日本列島を横断し、西南日本を北側の内帯と南側の外帯に区分する世界第一級の断層である。エドムント・ナウマン博士により提唱された地質構造としての中央構造線は、奈良県五條市より西側では、現在も主に右横ずれ方向の変位が卓越した活発な活断層である。一方で愛知県や三重県などを含む奈良県五條市から東側では、第四紀後期における顕著な断層活動の証拠は見いだされていない。特に杖突峠を北東に越えた長野県茅野市付近の諏訪盆地で中央構造線が途絶え、その先は岡谷市の横河川上流付近に再び出現することから、中央構造線は糸魚川−静岡構造線活断層帯によって、約12km左方向に食い違う断層変位を受けていることが知られている。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻4ページ