注口土器

 

(ちゅうこうどき)

【考古】

縄文土器の壺に注ぎ口が付いた土器。縄文時代後期前葉~晩期にかけて盛行し、市内では特に後期中葉~後葉の資料が多い。注口土器は酒類などを入れて祭祀時に使用されたとされ、注口部の接続部分に男根を模した装飾が付けられることもある。市内では、足助地区の今朝平遺跡や木用遺跡で多く出土しており、祭祀の盛行と軌を一にして作られた。祭祀行為の後で割られることがあったようで、今朝平遺跡からは注口部が削がれた注口土器(写真)の身部が据えられたような状態で出土している。東日本では、注口部片が集められた事例がいくつか確認されている。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻131ページ、18巻409ページ