沖積層基底礫層

 

(ちゅうせきそうきていれきそう)

【自然】

現在よりも約1万8000年~2万年前にあたる最終氷期の低海面に対応し、当時の河川が堆積した地層が沖積層基底礫層とされる。最終氷期の寒冷期下においては、特に北半球の中高緯度帯で大陸氷床が拡大し、海面が現在よりも約100m以上低下していたと考えられている。これにより当時の河口位置は現在の海岸線よりも沖合に位置し、その高さも低いことから、当時の三河平野や濃尾平野における河床の高さは、現在よりも数十m程低い位置にあり、また河川長は長く、河床勾配も大きかった。この当時に河床を構成した砂礫層が、現在の臨海平野における沖積低地下に広く分布し、平野における大型構造物の支持基盤となっている。また上流方向では現在の河床と交差して、最終氷期に形成された段丘地形に連続することが多い。市域では挙母面より下位の時代に形成されたいずれかの段丘面と連続すると考えられる。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻60ページ