長慶寺十一面観音菩薩立像 

 

(ちょうけいじじゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)

【美術・工芸】

長慶寺(岩倉町)所蔵。像高61.7cm、榧材一木造、内刳なし、彫眼、素地。髻上に頂上仏、天冠台上の地髪部に頭上面(十面)を一段に配し、左手は肘を曲げて腹前で水瓶を執り、右手は垂下して与願手をあらわして蓮華座上に立つ十一面観音菩薩立像である。当初は寺の南に位置する観音山(俗称)の山頂にあった堂宇に安置されていた尊像が寺に移されたと伝えられている。現状は彩色が剥落して素地を呈しているが、彩色下地が認められることから、当初は彩色仕上げであったと考えられる。本像は彫り直しや修理が施された部分も多くみられるが、制作年代は平安時代後期(11世紀後半から12世紀前半頃)と考えられる。県指定文化財。


『新修豊田市史』関係箇所:21巻56ページ

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