(ツガ)
【自然】
マツ科の常緑針葉樹。ツガ属は日本に2種が自生するが、本種はその1種である。他はコメツガで市内には自生しない。本種は福島県以南から屋久島にかけての暖帯から温帯の林内、あるいは低山帯に分布する。雌雄同株で、4月に開花する。トガの別名あり、咎人を縛ったことから名付けたとの説もある(御船町八柱神社に伝わる)。森林の場合、モミ・ツガ林を形成することが多いが、モミは葉先が2裂し、ツガと区別は付けやすい。猿投山頂付近にはツガを主木とする天然林が残存し、山地の尾根筋に自生する特徴を示している。小坂本町七州城址に200年超の個体があり、天守閣用地の目印として植えられたと伝えられている。他に幸海町家下白山神社には、幹周210cm、樹高22mの高木がある。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻364ページ