堤1・2号墳

 

(つつみ1・2ごうふん)

【考古】

市域北部の小原地区永太郎町の中山間地にある古墳で、市指定史跡。小原中学校裏山の丘陵南側斜面肩部に所在し、田代川を挟んで対峙する丘陵上の宮口古墳群とともに、矢作川水系における県内の古墳分布の北限に当たる。ともに横穴式石室を主体部とする小円墳(写真は2号墳)で、昭和48(1973)年に発掘された1号墳からは、南東方向に開口し、一対の門柱石で玄室と羨道とを区切る擬似両袖形の横穴式石室(全長4.3m)が検出され、石室の規模から墳丘は大略径9mを越えない円墳と推定されている。出土遺物はなかったが、玄室が強い胴張りを呈していることから7世紀代の築造と推定されている。なお、堤1・2号墳出土と伝わる10点の須恵器が残されており、それらは7世紀前半代~中葉に位置付けられる。


『新修豊田市史』関係箇所:1巻264・438ページ、19巻749ページ

→ 宮口古墳群横穴式石室