(ていねんきのう)
【現代】
農業以外の他産業に従事していた人が定年退職後に農業に従事することを指し、①農家に同居する他産業従事者の定年就農、②他出した他産業従事の後継者の定年Uターン就農、③非農家出身の他産業従事者の定年農業参入の3タイプがある。定年帰農は、平成12(2000)年の農林業センサスで、農業の主な担い手である基幹的農業従事者数が高齢者層で平成7年の統計と比べて増加したことで注目され、さらに団塊の世代が大量に定年退職を迎える2000年代後半に、退職者の生きがいづくりという点でも関心を集めてきた。豊田市では、定年帰農の動きが安定成長期の後半からみられ、平成12年に市と農協が高齢者の生きがいづくりのために農業塾を始めたり、平成16年4月に農ライフ創生センターを農協と連携して開設したりすることで進展してきた。この結果、平成17年以降、基幹的農業従事者における高齢者層の比重が高まっていった。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻419・583・716ページ、13巻293ページ