手習い本

 

(てならいぼん)

【近世】

寺子屋などで実用的な読み書きを学ぶ際に使用した教科書。手習いの初めに『いろは歌』で平仮名を、『千字文』で漢字を学んだ。人名の読み方・書き方は『名頭』『苗字尽』で、居住地または奉公先の国・郡・村の読み方や書き方は『国尽』『町村尽』で学んだ。また、『庭訓往来』『百姓往来』『商売往来』といった往復書簡を記した往来物(写真)によって、書状の定型文等の知識を身につけた。手習い本は、出版されたもの以外に師匠が自作したものもあった。そのため、手習い本からは地域の特色を知ることができる。


『新修豊田市史』関係箇所:3巻628ページ

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