(でんせんびょうよぼうきそく)
【近代】
政府は明治13(1880)年7月、前年6月に公布した虎列刺病予防仮規則を廃止して、新しく伝染病予防規則を制定した。コレラ、腸チフス、赤痢、ジフテリア、発疹チフス、痘瘡(天然痘)が伝染病に指定され、府県・警察・医師・各町村の衛生委員が協力して予防を徹底すること、流行時の対応策などを詳しく規定した。さらに明治23年に内務省は新しく伝染病予防心得書を布達した。伝染病を撲滅するために個人や家、町村の努力を促した。伝染病の流行を抑えるために、患者を隠匿すること、吐瀉物を下水・芥溜に投棄することなどを禁じた。また市町村における衛生組合の設置、医師による予防法の徹底、官吏・医師などによる消毒の徹底などを規定した。特に各町村の衛生組合は隣人相互が監視しながら伝染病を予防しようとするもので、戸主を組合員として、組合内の薬剤や器具を備え、井戸・下水・厠・芥溜・溝の清掃、衛生談話会の開催などを行った。
『新修豊田市史』関係箇所:4巻206ページ
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