統合的水資源管理

 

(とうごうてきみずしげんかんり)

【自然】

文部科学省科学技術・学術審議会資源調査分科会において、統合的水資源管理とは「水資源、土地資源、その他の関連する資源の調和的な開発及び管理を促進するためのプロセスであり、その結果もたらされる経済的、社会的な福祉の最大化を図りつつ、同時に決定的に重要な生態系の持続可能性を確保するもの」と定義されている。また、統合には「人と自然との関わりにおいて、自然系と人間社会の二つの基本的なカテゴリーが考えられる。時間的・空間的な状況に応じた適切な統合を行うことにより、より良い戦略や計画、管理技術の開発を実現することができる」と示されており、この概念により技術的統合(自然系)、政策的統合(人間社会)の側面から10項目が設定されている。我が国における水資源の統合管理は、災害対応、気候変動等へ対応、国土保全の観点から必要性が述べられているが、統合管理に向けては上下水道、治水、利水、水環境をはじめとしたさまざまな課題がある。水・エネルギー・食料の一元管理についても統合的水資源管理が抱える課題の一つであるが、仮想水問題といった世界規模での水利用問題の解決にも関連することから、SDGsも視野に入れた政策の構築が必要となっている。

『新修豊田市史』関係箇所:23巻205・284・301ページ