(とうせいこまいぬ)
【美術・工芸】
中世以降に、瀬戸・美濃の古瀬戸窯・大窯・連房式登窯などで生産された陶器製の狛犬である。狛犬は本来、白山神社(東大林町)陶製狛犬(写真)のように阿(右)・吽(左)一対で製作されるものであり、古代中国の墓前に守護霊獣として鎮座した獅子石像がルーツとされる。陶製以外では、石造・木造などがあり、現在まで社寺等に多く見かける。瀬戸・美濃窯産の陶製狛犬は、室町時代において、東は関東(千葉県香取神社伝世品)、西は関西(伝千利休所持・根津美術館伝世品)に分布が知られるものの、中心は尾張・三河・美濃であり、近世以降、その傾向はより強くなる。