戸口

 

(とぐち)

【民俗】〈住生活〉

家屋の入口はトマグチ、オトグチと呼ばれた。大戸があり、小さな板のくぐり戸がついていた。大戸にはザコ(落とし)があり、鍵の役目をした。トマグチは大切な場所で、「主人の頭だから敷居を踏んではいけない」(大河原・足助地区)、「敷居へ腰かけると尻にできものができる」(大野瀬・稲武地区)、「新嫁が高島田をくぐり戸に引っかけたら実家に帰される」(大林・下山地区)などといわれた。裏の出口はセドグチといった。〈住生活〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻396ページ、16巻385ページ