(としとり・としこし)
【民俗】〈年中行事〉
1年最後の大晦日に歳神を迎える行事。日中には正月料理を準備して、年取りの行事として鏡餅を供えたり墓参りをし、農家では道具の年取りといって、鍬などの農具に鏡餅を供えた。市域平野部では恵比須や仏壇にお金や財布を供える家もあり、そうするとお金が増えるといった。日没を迎えると1日が終わり、あらたまった気持ちで歳神の来臨を仰ぎ、家族揃って食事をとった。数え年の頃はこうして新たに1つ歳を取った。年取りの時はご馳走で、市域山間部ではサトイモ、ゴボウ、大根、ニンジン、昆布、コンニャクなどの煮物を作り、年取りの魚としてイワシやサンマの干物などを用意した。平野部では年越しにそばやうどんを食べたところも多く、保見(保見地区)では、そばは切れるので避け、豊作が続くようにとうどんを食べたという。寺部(高橋地区)では「そばは縁を切り、うどんは続ける」といい、それぞれの特性に掛けて縁起をかつぎ、どちらかを食べた。〈年中行事〉
『新修豊田市史』関係箇所:15巻684ページ、16巻624ページ