土地利用型農業 

 

(とちりようがたのうぎょう)

【現代】

豊田市は、水稲作の作付面積と収穫量で愛知県においてはトップクラスの地位を誇ってきた。このような農地の広さを活かした農業生産の方式は土地利用型農業と呼ばれ、水稲作のほか、麦・大豆・野菜類(大根、ジャガイモ、キャベツ等)・飼料作物等を大規模に露地栽培する形態が一般的である。これらと異なり、狭い農地でビニールハウスやガラス室を使って野菜・花き等の生産を行う施設園芸等の農業形態は、資本集約的農業あるいは施設型農業とされる。水稲作では、昭和40年代後半から米の生産調整が始まり、麦・大豆等への転作が進展したが、日本の農業における土地利用型作目の国際競争力は概して低い。豊田市の平地農村では、農地の利用集積と利用調整によって、農業生産法人・認定農業者が稲を主体に麦・大豆の団地化による転作を担い、経営受託によって土地利用型農業経営を大規模に行う経営体へと発展してきた。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻420・573・722ページ

→ 認定農業者農業法人農地の利用集積