(トヨタカレンダー)
【現代】
トヨタ自動車の本社および各生産工場で採用されている稼働日を示した暦。「豊田(本社)・工場地区」カレンダーとも称される。トヨタカレンダーの特徴は、週5日の工場稼働日とそれに続く2日の休日が繰り返され、週の途中に祝日があったとしても休業日とはならない点にある。その反面、年末年始やゴールデンウィークなどにまとまった休みが設定されている。そのため、トヨタカレンダーにおける1週間は週の始まりを月曜日とし土曜日の右側に日曜日を配するという独特の表現方法を採用している。この暦により生産の連続性が確保され、週あたりの稼働日数を同じにすることで生産台数を平準化できる、生産計画を立てやすい、生産設備の起動や停止時に生じる多くの作業を軽減できる、などの利点が生じる。トヨタ自動車の工場や協力工場の多い豊田市やその周辺の都市では、トヨタ従業員や協力会社の従業員向けにトヨタカレンダーで営業する商店も少なくない。このように、トヨタカレンダーにより生み出される生活のリズムは、トヨタ自動車の従業員のみならず、協力会社やその社員の日常活動、さらにはそうした従業者が利用する商業施設やレジャー施設の経済活動にも影響を及ぼしている。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻545・611ページ、13巻573ページ