(とよたしきょうどしりょうかん)
【現代】
豊田市陣中町に立地する市民の教養、学術および文化の発展に寄与するために設置された施設。昭和42(1967)年1月16日開館。本館と民俗資料館などからなり、開館に伴って、鉄筋コンクリート平屋建の本館では絵画や武器・武具、古文書、豊田大塚古墳からの出土遺物など約180点が観覧に供され、豊松町の庄屋の住居を移築した民俗資料館では明治期の農具や生活用品など約70点が展示された。開館して初めての大規模な展示会として、昭和42年11月12日から26日まで「猿投地区文化財特別展」が開催され、延べ1083人が資料館を訪れた。翌年5月8日からは小原工芸和紙の発展にも尽力した藤井達吉の遺品展が、同年11月1日からはいわゆる明治100年に関連して「明治100年と豊田市」展がそれぞれ開催され、その後、令和3(2021)年までに開催された特別展は50回を超える。平成20(2008)年からは出前授業サポート、資料館・遺跡見学サポート、教材サポートなどのスクールサポート事業を実施し、年間約1万4000人の児童生徒がこの事業に参加している。また平成27年には「とよた歴史マイスター」制度を導入して、市域の歴史・文化財について学び・関心を持ち、伝える活動を行う人の養成を目指している。新博物館の建設に伴い令和4年9月30日に閉館した。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻343ページ