(とよたしこうせつちほうおろしうりしじょう)
【現代】
豊田市地方公設卸売市場は、昭和57(1982)年4月1日に豊田市によって青果と水産物を扱う愛知県唯一の公設による地方卸売市場として、人口拡大に伴う消費量増大に対応することを目的に豊田市および三好町(現みよし市)を供給圏として開設された。地方卸売市場は、市町村や協同組合、民間会社が都道府県知事の許可を得て開設する卸売市場であり、農林水産大臣の認可・指導監督の下にある中央卸売市場と比べて小規模なものの、生鮮食料品等の公正な取引の場という点において同様の役割を担っている。豊田市では、地方公設卸売市場の開設以前、民間の3卸売市場がみられたものの、需要量に対して集荷量が不十分で、地場農産物の集荷も個別出荷ゆえに価格が伸びず、市は地方卸売市場を開場して、流通の近代化を図った。同市場は、開設時から地場農産物の出荷先としての役割も担い、さらに平成10年代後半以降、学校給食や産直での地場農産物利用拡大時にも一定の役割を果たしてきた。
『新修豊田市史』関係箇所:5巻426・721ページ