豊田市中央図書館

 

(とよたしちゅうおうとしょかん)

【現代】

西町(挙母地区)に立地する公立図書館。平成10(1998)年11月3日に名鉄豊田市駅東側にある豊田参合館内に開館した。令和元(2019)年度末の蔵書数は115万5418冊。市民の教育と文化の発展に寄与することを目的に設立され、分館として高橋町に豊田市こども図書室が設置されている。アジア・太平洋戦争後の豊田市における図書館の歴史は昭和21(1946)年7月にまでさかのぼることができる。7月11日、当時の挙母町に挙母町立図書館設立委員会が組織され、9月1日に都市計画事務所内に町立図書館が設置された。昭和23年4月1日には中央公民館へ移転され、市制が施行された昭和26年3月1日に挙母市立図書館と改称、昭和29年3月には喜多町(挙母地区)の旧愛知県蚕業取締所第9支所(のち豊田市近代の産業とくらし発見館)に移転新築された。この年9月に公布された挙母市立図書館設置条例により公立図書館となる。その後、昭和34年1月の挙母市から豊田市への市名変更によって豊田市立図書館と改称され、同年5月には鉄筋コンクリート2階建で面積が99m2の書庫が増築された。この頃の豊田市立図書館では貸出巡回文庫の運営や『図書館だより』の発刊のほか、読書会やレコードコンサート、展示会や映画鑑賞会などが開催され、読書グループの指導なども行われている。昭和45年3月6日には陣中町(挙母地区)の豊田市郷土資料館の北側に移転新築され、鉄筋コンクリート造、地下1階・地上2階建で、電動書架を配備するなど十分なスペースと時代を先取りした設備を有していた。市民に親しまれる図書館を目標に資料の充実に努める一方、児童の読書意欲の向上に資する活動を実践するなど、各種の活動を積極的に推進し、幅広い奉仕活動に努めることが目指された。平成10年9月1日に閉館し、その機能は豊田市中央図書館に引き継がれた。


『新修豊田市史』関係箇所:5巻346ページ