内水面漁業

 

(ないすいめんぎょぎょう)

【現代】

河川や湖沼で行われる漁業で、矢作川では釣、網漁具のほか、ヤナやウケなどの多様な漁具が使われてきた。昭和24(1949)年に改正された漁業法により、漁業権は内水面漁業協同組合(内水面漁協)が免許を受けることになった。内水面漁協は資源の増殖とともに遊漁規則を定めなければならない。豊田市では矢作川、巴川、名倉川のほか三河湖に内水面漁協が設置されている。そのうち矢作川漁協では、上流の「小渡・浅野」から下流の「豊南」支部までの7支部体制(令和4年8月時点)をとっている。関連施設として、昭和30年に開設された愛知県水産試験場内水面増殖指導所(猿投地区)があったが、昭和44年に同施設が矢作川漁協に譲渡され、指導所設置以来アユ種苗の育成と放流を行ってきた。かつて淡水魚は遊漁だけではなく、アユは市場出荷も行われた。なお矢作川漁協では養殖魚の加工品開発も手掛けてきた。さらに、川やアユの資源は地域づくりやコミュニティ形成にも生かされている。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻277ページ、4号134ページ

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