(なかがきしゅぞう)
【建築】
有間町(旭地区)。矢作川沿い笹戸温泉にあり、創業より酒造りを専業としてきた。銘柄は、創業以来「鴨東正盛」としていたが、第9回酒類鑑評会で一位を受賞し、岡崎税務署長の命名で「賜冠」が誕生した。中垣家は材木商であったが、明治33(1900)年正作が創業、2代藤兵衛が大正期に基礎を築き、4代裕己のとき琺瑯引き清酒仕込樽を導入するなど製造法を新たにして、現状の規模が決まった。工場配置は、洗米・蒸し・麹・醪・上槽・瓶詰、発送の流れに沿って分割されている。主な施設は8棟。敷地面積1800m2、木造2階建、切妻造、桟瓦葺、塗籠蔵。北蔵(第一製造所)桁行26.62m、梁間10.8m。南蔵(第二製造所)桁行26.62m、梁間7.65m。二階中央に製麹室を置き、第一・二麹室を配置している。主屋(写真)は大正2(1913)年、木造2階建、入母屋造、桟瓦葺、桁行12.7m、梁間7.27m。六間取り(8畳4室に6畳2室)、2階は中廊下型の6室とする。創建当初は茅葺であったが、昭和38(1963)年に屋根のみせ・住居部を改装している。
『新修豊田市史』関係箇所:22巻519ページ