南無仏太子
(なむぶつたいし)
【美術・工芸】
南無仏太子は、聖徳太子像の一形態を指す言葉である。その姿は円頂の童子形であらわされ、上半身は裸形で胸前で合掌し、下半身は裳を長く着けて裾を後ろに伸ばし、足下に踏む姿であらわされる。この姿は、聖徳太子が2歳の時に東に向かって合掌し、「南無仏」と唱えると、その掌から舎利(釈迦の遺骨)が落ちたという伝説に基づいてあらわされる姿である。南無仏太子像は、鎌倉時代以降仏舎利信仰や太子信仰の隆盛とともにさかんに制作された。
→ 聖徳太子、明誓寺南無仏太子像