『西加茂郡地理小誌』 

 

(にしかもぐんちりしょうし)

【近代】

川崎種次郎が編さん、田中正幅が校閲した西加茂郡の地理書、明治15(1882)年12月刊行。川崎は挙母村居住の愛知県士族で、西加茂郡書記を務めていた(明治16年『愛知県職員録』)。郡の地理、風俗、沿革などに続き、挙母、梅ヶ坪、上伊保、花本、飯野、平井、寺部など各村の概況、山川、道路、学校、郵便局、神社、産物といった事項を簡単に叙述している。「挙母綿」、「花本麹」、「加茂米」といった名産にも触れる。なお出版は挙母村の文会堂という書肆で、吉田桑吉が名義人である。文会堂は松田信之編『小学愛知県地誌略』(明治12年)、田中正幅編『衛生一斑』(明治14年)を発行している。

『新修豊田市史』関係箇所:12巻595・845ページ