(二ホンジカ)
【自然】
偶蹄目、シカ科。雄は角をもつが、この角は春4月頃に落ちて5月には新しい角が袋角としてのび始める。夏毛では「鹿の子まだら」となり、尻のところには白い毛があって「尾鏡」と呼ばれる。歯式は0・1・3・3/3・1・3・3=34。本来の分布域はアジア大陸東部であるが、世界各地で移入個体が野生化している。落葉広葉樹林や草原に生息するが、畑地や人家近くにも出現して農林業の被害が深刻になっている。草や木の葉などを食べ、反芻する。かかとの下には中足腺がある。県内では、平成17(2005)年度以降10年間で東三河山間部から南西方向への分布拡大がみられた。豊田市は農林業被害の減少をはかり、人とニホンジカとの適切な関係を構築するために、第二種特定鳥獣管理計画実施計画を策定して個体数の管理を行っている。市内では猿投、松平、藤岡、小原、足助、下山、旭、稲武の8地区で生息が確認されている。
『新修豊田市史』関係箇所:23巻593ページ