妊娠中の禁忌     

 

(にんしんちゅうのきんき)

【民俗】〈人の一生〉

妊娠中は「高いところに手を伸ばすな」と言われ、1軒に妊婦が2人いると勝ち負けができてよくないとされた。火事をみて体に触ると赤痣、葬式の場合は黒痣ができるとされ、防ぐために懐に鏡を入れておいた。障害のある子への差別意識から、「ウサギを食べたり田のアト(排水口)を切るとグチョウ(口唇口蓋裂)の子が生まれる」「釜の蓋など丸いものの上でものを切ると丸い(頭の弱い)子が生まれる」などの迷信も語られていた。〈人の一生〉

『新修豊田市史』関係箇所:15巻610ページ、16巻556ページ