認定農業者

 

(にんていのうぎょうしゃ)

【現代】

平成5(1993)年の農業経営基盤強化促進法に基づく、市町村策定の農業経営基盤強化促進基本構想に向けて、農業経営改善計画が適切で達成確実と認定され、地域農業の中心的担い手として農地の利用集積、資金融資や税制上の配慮等の各種施策で重点的支援の対象となっている者を指す。日本全体では、平成6年度の1万9193経営体が平成17年度末に20万を超えた後、20万台前半で推移した。平成25年3月末現在、それは23万3386経営体(うち法人7.2%)を数え、その約52%が単一経営(法人経営の場合、65%)であった。単一経営の上位3経営体数は稲作、施設野菜、果樹類であったが、法人の場合、肉用牛・養豚・養鶏等、稲作、酪農の順となり、畜産経営体の割合が高いという特徴がある。豊田市の認定農業者数は、平成25年3月に188経営体を数え、その55.9%を単一経営が占めて全国とほぼ同様の比率を示した。ただ、単一経営では、全国と異なり、果樹類が最も多く、施設花き・花木、茶、施設野菜、露地野菜、肉用牛・酪農・養豚等の畜産がそれに続いた。他方で、全国では最も多かった稲作は、麦等との複合経営で行われており、豊田市の場合、全認定農業者の4割が水田農業をベースに複合経営を行っていた。これらは、中甲・若竹・桝塚会・逢妻等の農業法人や個人の大規模経営農家等を主としている。政府は、平成24年度から地域が抱える担い手と農地の問題の解決を図るため、地域の話し合いで将来的な農業の中心的経営体を定めて、そこへ農地を集積する取り組み(人・農地プラン)を始めた。豊田市の水稲作の複合経営を行う農業法人や大規模経営体も、農地の利用調整によって地域の農地の利用集積が進められ、農地の保全とその有効利用を担う中核的役割を果たしている。この結果、平成30年4月現在、市内農地6560haの29.8%にあたる1952haが認定農業者等に集積されていた。

『新修豊田市史』関係箇所:5巻722ページ