額田県      

 

(ぬかたけん)

【近代】

明治4(1871)年11月15日成立。三河国一円と尾張国知多郡を管轄した。県庁は額田郡の旧岡崎城内に置かれた。額田県という名称は県庁所在地の郡名に由来する。初代権令は名東県(現徳島県)士族の林厚徳。権参事は木村成章、石黒務が歴任した。庶務課・聴訟課・租税課・出納課の4課を設置し、知多郡横須賀(現東海市)と東京に支庁を設ける。8月には東三河4郡(渥美・八名・設楽・宝飯郡)の事務を分掌する豊橋取締所を開設した。旧挙母県からは田中正幅が十等出仕として登用され、租税課、庶務課を歴任した。11月に大蔵省が行政整理を理由に愛知県への合併を正院へ進言した結果、11月27日に額田県は廃止され、三河国と尾張国を管轄する愛知県が成立した。

『新修豊田市史』関係箇所:4巻27ページ